藤原定家(ふぢはらのさだいへ)が塚本邦雄に影響

藤原定家は、私が高校生の時に出会った芸術家である。

小説家になろうとして、しかも美文を書きたくて、三島由紀夫と定家の作品に耽った。

ただし、藤原定家は、新古今和歌集よりも先に、塚本邦雄の『定家百首』を手に取った。

これが、私の芸術観を決定づけてしまったようだ。

当時はサヨク思想にもかぶれていたのだが、日本文学は好きだった。国語の成績は悪かったが…

塚本邦雄の藤原定家像はともかく、塚本経由で定家を受け入れたことは、その後の私の芸術鑑賞の大きな桎梏となってしまった。

しかし、「たられば」はない。

もともと、芸術の抽象性や、現実からの独立性、そして文学は言葉で構築する芸術、という思想は私の本性だろう。

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